第76回毎日書道展四国展

作品解説

姓号田淵 聖健
(たぶち せいけん)           
題名王維雑詩三首の三
(おういざっしさんしゅのさん)
釈文已見寒梅発
復聞啼鳥声
愁心視春草
畏向玉階生
意味雑詩とあるも、女性のなげきの詩とされるのが一般的である。だが現代の感覚からすればまた別の解釈も生まれてよい詩であろう。参考までに、岩波書店の『中国詩人選集6王維』より、都留春雄の解釈を記す。「すでに寒梅は花ひらき、また、鳥の囀りも聞こえてくるのに、心はうれい、春の草をみつめ、夫が帰らずに、春の草が玉のきざはしに茂りはしないかとおそれる。」
作意制作意図は日ごろからよく臨書する王羲之や顔真卿などの風趣を念頭におき、羊毛筆を用いて白と黒を図りながら書作したつもりである。黒の色にはもう少し工夫が必要であったと反省している。漢詩作品においては、その言葉にやどる意境を表現にを盛り込みたかったが、私ごとき菲才がそこまで望めるべくもなく、それとは切り離して現状の漢詩を扱う書創作的観点からみていただけると幸いである。言葉と離れた感覚的な解釈は観者に自由に構築していただきたいが、できれば今後の書作に反映していくためにもその意見が共有できれば嬉いと思う。

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